4月17日のブログで、国土交通省が公表した
「中古住宅の賃貸借ガイドライン」をご紹介しました。
空き家の増加に歯止めをかけるため、
個人所有の中古住宅を活用する市場形成が目的となっています。
実際日本の住宅に占める中古の割合は1割強で、
7~8割の欧米より極端に少ない、とのこと。
気候や地震など日本特有の事情を考慮に入れても
中古住宅が活用されないのはもったいない気がします。
実は中古住宅の需要がないわけではないのです。
ブログでも触れたように、若い世代で
「リノベーション」がブームとなっています。
「リフォーム」が内装の改修にとどまるのに対し、
「リノベーション」は、壁や天井を取り払い
間取りから作り変える改修を指します。
新築を購入するより安く自分好みの部屋が作れるとあって、
新築信仰が根強かった日本の住宅市場を変えるほどの勢いが感じられます。
賃貸住宅でも導入されていて、相場より高い家賃でも
入居希望者が後を絶たないような人気物件もあるようです。
このような制度やアイデアで、
住み手のいない空き家が少しでも減ることを期待したいですね。
国土交通省は先月、個人が住宅を貸し借りしやすくするための
ガイドラインを公表しました。
貸し手、借り手双方にメリットのある契約方式の導入により、
中古物件の賃貸契約の増加につなげる試みです。
主な内容は
◆貸し手のリフォームや清掃をなくし、負担を軽くする
◆借り手が自由にリフォームでき、退去時の原状回復も不要
となっています。
通常の賃貸契約では、退去時にトラブルが生じやすいため
入居者によるリフォームは原則として禁じられてきました。
新方式の賃貸契約では、退去時などのルールを明確にすることで
借り手の自由度が上がるとともにトラブルのリスクが下がります。
貸し手にとっても事前の清掃や修繕が不要となるため負担が減り、
その分家賃が安くなれば借り手も見つかりやすい・・・
と、好循環が期待できるというわけです。
今回新方式の成立に踏み切ったのは
空き家の増加に歯止めをかける狙いがあります。
国土交通省によると、H20年の全国の空き家の総数は約760万戸に及び、
そのうち個人住宅が270万戸を占めており、適切な管理が行われていない住宅は
防犯や衛生などの面で地域の大きな問題となっているとのこと。
空き家の活用が期待されているにもかかわらず、
個人住宅の賃貸流通や空き家の管理については
賃貸用物件と比べて取引ルールや指針が整備されておらず、
市場の形成はまだ不十分な状態であることを問題視した結果
新方式の導入に至ったようです。
若者世代の「リノベーション」ブーム等からも
需要は十分にあるといえるでしょう。
このブログでも何度も取り上げている空き家問題。
改善に一役買ってくれることを期待したいと思います。