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2011/2/2 水曜日

木造住宅の耐震補強

カテゴリー: 未分類 — admin @ 18:08:15

先日、財団法人日本建築防災協会の木造住宅の耐震補強の実務講習に行ってきました。

木造の耐震工事は、どこまで工事をするかという点と、それに伴ってどこまで予算を掛けるかという点で、多くの方が悩まれます。同じ耐震補強工事でも、計算上は同じ強度になっても間取りは制限されますが、細かく耐力壁をばらして配置した方が粘りのある丈夫な建物になりますので、一概に数値だけでは耐震強度の比較が難しいのが実情です。

木造建築の耐震強度については、品確法という建物の品質基準の法律によって1級から3級まで分類されていますが、1級は建築基準法に適合した強度、2級は建築基準法の1.25倍の強度、3級は建築基準法の1.5倍の強度です。ちなみに、阪神淡路大震災のクラスでは耐震強度3級の建物だけが耐える事ができる計算です。他の1級や2級は、倒壊の前に避難ができるという感じです。

木造住宅は、建物が揺れて外力を分散して耐える構造ですので、そのためには筋合いという木を柱と柱の間に斜めに掛けて、耐力を持たせています。耐震補強工事の一つですが、この筋違を増やすことで強度を高めます。その筋違いの設置角度も30°~60°に納めないと実際は役に立ちません。理想は45°ですが、それには高さと同じ長さの壁がひつようですが、実際は少ないのでなかなか難しいのが現状です。また、30°以下の筋違でも、構造の計算上は耐力壁として認められるのですが、実際は機能しない耐力壁なので補強工事の際は注意が必要になってきます。

耐震工事では、現状の基礎や木材、間取りを踏まえて建物の重芯(建物自体の重さの中心)と剛芯(建物の強度の中心)を近づけるように工事計画をすることで、バランスの良いねばりのある木造住宅に変わります。また、N値計算という方法にて1本ずづの柱に対して、補強を考えて行くことで使用する金物も少なくて済み、工事費用の軽減にもつながります。耐震工事での一番のポイントは、倒壊を防いで家屋に押しつぶされないようにして、避難ができるような建物に補強を行うことです。

お住まいの耐震補強についてのご相談は、随時行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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